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1996年の7月、
この時期SooNのカヴァー・アルバム「Cool Mad Standard」のレコーディング 終了直後。
10日間のオフをもらい憧れのイギリスへ。集中しすぎた日々の作業から解放され観光を大いに満喫。

ビートルズやらポール・ウェラーやらその他あげればきりがない程多くのミュージシャンを輩出した街。
そしてモンティ・パイソンフリークとしては何度もビデオで見た風景だらけ。この街にいたい、ずっと居たい。

サイレンからクラクション、罵声まで全てのノイズが英国。あの曲で聞こえていたサウンドのまんまだ。
木漏れ日の具合から路地の石畳や煉瓦の色まで全てが英国。あの曲で見えていたイメージのまんまだ。
あぁ、なんてことだ、ここにルーツがある。ここに表現の源がある。感涙にむせび泣く。
なのにオレは10日間だけのフツーの日本人観光客。なんたる、なんたる。
感激したり、落胆したり、浮かれたり、塞ぎ込んでみたり

パブ・ギネスの激美味さに涙したのは感動からか、どうやったって救われない出生の哀しみからか。
せめて前世はイギリス人だと言ってくれ!誰か!

それにしても英国のこの季節は昼の時間が長い。というか夕方が長すぎる。
日本での夕暮れは一瞬。切なく感じるのも一瞬。すぐに遊び呆ける夜が押し寄せてくる。
夕暮れが長すぎるのは心に負担がかかりすぎる。だってずっと意味もなくやるせないまんまだよ、大変。

そういえばインドの文化はこんなにもイギリスの色の重要なひとつになっているんだ。
そこかしこに散りばめられて見え隠れしているインドの色と匂い。
音楽やってて表現のひとつとしてそれらを使わないではいられない英国ミュージシャンの
好奇心がビシビシ伝わってくる。なるほどね。

この後ずっと忙しく、旅行らしいものは3年後のインド・ネパールまでなかった。
しかしこの英国の旅こそがインドへ繋がっていくのだ。
実は3年越しの恋。

この英国ギャラリーは印度ギャラリーのプロローグだと思って。